レティクル レンジファインダーの読み方(後編)

レンジファインダーの読み方(前編)で固定倍率スコープを題材にしました。後編ではズームスコープについて記載します。前編と同じカタログスペックから計算でレンジファインダーの目盛りを読んでみます。
レティクルは前編と同じく以下を使用します。

レティクルの読み方 前編-01

 

スコープは以下の 3-9×40 を使用します。視野はカタログスペックで「100ヤード で 3倍時 25フィート・9倍時 14フィート」となっています。単位を変えますと「91.4m で 3倍時 7.62m・9倍時 4.27m」となります。

レティクルの読み方 後編-02

 

視野の値から画角は  3倍時=4.80° ・ 9倍時=2.68°  と計算できます。また、距離別の視野は以下の図の通りとなります。

レティクルの読み方 後編-03

では、4倍・5倍・6倍・7倍・8倍ではどうでしょうか。カタログスペックに視野の記載はありませんので、3倍時の25フィートから9倍時の14フィートまで均等に視野が狭くなると仮定します。すると倍率毎の視野は以下の表のようになります。

レティクルの読み方 後編-04

倍率が変わると視野が変わりますが、レンジファインダーの目盛りの幅は変わりません。つまり倍率によってレンジファインダーの目盛りの読み方が変わるということです。例として50mでの目盛りは以下の図の通りとなります。

レティクルの読み方 後編-05

あえて表にすると以下の通りとなり、固定倍率と比べて恐ろしく複雑になります。

レティクルの読み方 後編-06

ゲームなどでスコープの倍率を変えつつ使用する場合、レンジファインダーを使うのは至難の業と言えます。フィールド・環境・射手のスタイルなどを勘案して、スコープの倍率を固定して使うのがベストと言えるかと思います。
複雑な要素を取捨選択して使うには相応の経験が必要だと思い知らされました。多数の米兵が使う Trijicon ACOGは固定倍率ですが、使い方を簡単にするためなんでしょうね。
今回は、わからないのが気持ち悪い、という理由で数値にしましたが、厳密に運用する必要はないと思います。前編の冒頭でも述べましたが、使いやすいように使うのが一番良いと思っています。スコープは道具ですから。