写真でレティクルを見てみよう 【ミルドット編】

実際の写真を使ってスコープのレティクルを見てみましょう。
ミル とは ターゲットが 1000m の時 1m を指す単位です。
ヤード・フィート・インチではなく、メートル・センチメートルで語ることができるので日本人にはわかりやすいです。
写真は Vector Optics Marksman 4.5-18×50 のものですが、レティクルの読み方は次のようになります。

この通り非常に高機能ですが、とても複雑です。
概ね 0.5ミル を単位としたレティクルになっています。
0.5ミルとは 1000mで50cm、500mで25cm、100mで5cm を指します。
(このレティクルでは 0.15ミル、0.25ミル、0.4ミル も利用できます)

ミルドットを使った 距離の計測方法 を簡単ですがご紹介します。
このレティクルは BSA Essential AR 2-7×32 のものです。
10式戦車を写真の通りに捉えた場合の距離を計算してみます。
全高 2.30m の10式戦車を 縦の目盛り 8個 で捉えています。
目盛り 1個の長さは 29cm = 2.30m ÷ 8個 となります。

ミルドットは 1000mで100cm、500mで50cm、300mで30cm を指しますから、10式戦車までの距離は 290m であることがわかります。

こちらは LeapersUTG 1.25-4X24 のもので、先のVector Optics Marksman 4.5-18×50 より、こちらの形式が一般的なミルドットです。

ターゲットの距離により目盛りが示す値が変わることに加え、スコープの倍率によっても目盛りが示す値が変わります。
一般的なスコープ(SFP : Second Focal Plane)では 最大倍率の時、1000mで1m を指すようになっています。


スコープの倍率を変えても 目盛りの示す量が変わらないようにするのが FFP ( First Focal Plane) です。
Vector Optics Capricorn 4.5-14×44 FFP のレティクルですが、4倍の時は小さく、倍率を上げるに従い レティクルも大きく表示されます。

最大倍率 14倍のレティクルです。
4倍と比べてみると違いが歴然です。
FFP ( First Focal Plane) は倍率に関わらず目盛りの示す量が一定!!という夢のような機能です。
しかし 高額なのが難点です。

最後にとても有名ですが PSO-1 タイプ(SVD ドラグノフ用) です。
このレティクルは ミルドット + BDC + レンジファインダー を併せ持つことが特徴です。

レンジファインダーは 1.7 と書かれた線に人(身長 170cm=1.7m) をあてはめ、距離を計測できるようになっています。
とても利便性が良いように思いますが、機能を詰め込みすぎて使いこなすが難しいのではないでしょうか。