適切なマウントリングの高さを求める その1

マウントリングの適切な高さについて、お問合せいただくことがあります。
スコープの外径・チューブ径から計算できますので ご紹介します。
目新しい話はありませんので、ご存知の方は読み飛ばしてください。


まず、基本パターンです。
BSA TMD 4-14×44 FFP ライフルスコープ をAR15系に装着します。
このスコープは 外径:51.0mm、チューブ径:30.0mm です。
スコープの中心は 外径の中央、チューブの中心ですから、それぞれを半分にします。
そして外径の半分からチューブ径の半分を引きます。
【式】
(外径 ÷ 2)-(チューブ径 ÷ 2)
= (51.0mm ÷ 2)-(30.0mm ÷ 2)
= 10.5mm
つまり、BSA TMD 4-14×44 FFP には マウントリングのレイル面~チューブ底面まで『10.5mm』より高くなければなりません。
マウントリング購入の際は 10.5mmより高いもの、入手性を考えると 12.0mm程度が目安になります。


続いて ハンティングライフル系のパターン です。
先ほどの基本パターンとの違いは レシーバーにレイルが乗っているので段差があることです。
上図の銃は M700 で、段差は 7mm です。
スコープは Weaver Classic Extreme 2.5-10×56 SF ライフルスコープ です。
外径:63.5mm、チューブ径:30.0mm です。
先のパターンと同じで 外径の半分からチューブ径の半分を引きます。
さらにレシーバー・レイルの段差を引きます。
【式】
(外径 ÷ 2 ) – (チューブ径 ÷ 2) – 段差
= (63.5mm ÷ 2) – (30.0mm ÷ 2) – 7mm
= 9.8mm
Weaver Classic Extreme 2.5-10×56 を M700 に装着する場合、マウントリングのレイル面~チューブ底面までが『9.8mm』より高くなければなりません。

マウントリングが低ければ、銃口とのギャップが小さくなり、結果、弾道がより水平に近くなります。
ただし、目の高さより低い位置にスコープが来る可能性があります。
対物レンズ 32mm・チューブ径 1インチ(25.4mm)など 径の小さいスコープを上記の式に当てはめると、目の高さより低くなる可能性が高まります。
この場合、マウントリングを高くするしかありません。

しかし、マウントリングを高くしすぎるのは良くありません。
スコープの装着に余裕がでますが、ストックに頬付けがしっかりできなくなります。
頬付けができない場合、ストックにチークパッドを追加します。
弾道が山なりになる以前に 正しい射撃姿勢 を取れるようにすべきです。

本記事では スコープの観点から記載しました。
銃側の観点からも記載していますので、よろしければご覧ください。(適切なマウントリングの高さを求める その2)