適切なマウントリングの高さを求める その2

適切なマウントリングの高さを求める その1 ではスコープの観点でしたが、今回は銃の観点から記載します。
今回も目新しいことはありませんので、ご存知の方は読み飛ばしてください。

まずはAR15系を例にアイアンサイトを観察してみます。
上図は MBUS ですが、レイル面~リアサイトまで 36mm です。
レイル面~ストック上面まで 12mm なので ストック上面~リアサイトまでは 48mm になります。

続いて ACOG です。
レイル面~スコープ中心まで 40mm、ストック上面~スコープ中心まで 52mm となります。
MBUS、ACOGの観察から、ストック上面~スコープ中心まで 50mm前後 が標準的な高さと考えられます。
この 50mm前後 の値は ストックにつける頬~眼までの高さであり、AR15系に限ったことではないとも考えられます。

スコープを載せてみました。
上図は BSA TMD 4-14×44 FFP ライフルスコープ 、チューブ径は 30mm です。
マウントリングは レイル面~チューブ底面まで 16mm です。
レイル面~スコープ中心まで 31mm、ストック上面~スコープ中心まで 43mm になります。
レイル面~チューブ底面まで 20mm程度の マウントリングに替えるとストック上面~スコープ中心まで 48mm程度となり 50mm前後 に近づきます。

このような少しの違いを補完するのが スコープの 瞳径(カタログでは Exit Pupil 値) です。
瞳径により レンズ中心から眼が少々ズレても正しい映像が見ることができます。
瞳径が大きいほど 眼がズレる距離が大きくても正しい映像が見ることができますが、一般的にスコープの価格も大きくなります。
瞳径の範囲なら高さが違っても スコープの映像は正しく見ることができるとお考えください。

その1、その2を通した結論です。
マウントリングの適切な高さには 幅があります。
(1) マウントリングは低い方が良い
(2) ストックの頬が当たる部分から 50mm前後
(3) 瞳径が誤差を補ってくれる
これらの条件をどのレベルで満たすか、がマウントリング選定になるかと思います。